FX・両建ての問題点
FX(外国為替証拠金取引)をする上で両建てと呼ばれる非常に高度なテクニックがあります。と言っても両建ての設定そのものはやろうと思えば簡単にできます。
両建てを行う方法とは同一の通貨ペア(米ドル・円など)で「買い」と「売り」のポジションを同時に持つことです。例えば1ドル=100円の時にまずは10000ドル分を買い、もう一方で10000ドルを空売りします。つまり相場が上昇しても下落しても儲け=損失となり、どちらか一方が優勢に立ちそうな場合にもう片方を手仕舞いすると言う方法なのですが、なぜこのテクニックが高度かと言うと通常のFXでは両建てを行っても何のメリットも無く、逆にデメリットばかりが出てしまうからなのです。
先に言ってしまえばFXの業者側でも両建てを嫌い、取り扱っていない業者が多くあります。一種の「禁じ手」と考えられている場合もあります。
ではなぜFXの両建てが嫌われるのでしょうか、また両建てのデメリットとはどのようなことを指すのでしょうか。デメリットの例をあげると、
1.売りにも買いにも同じ額の証拠金が必要となり証拠金が足りなくなるなどのリスクがある。
2.取引が2倍となるので手数料なども2倍かかってくることになる。
3.スプレッド(買値と売値の差額)が2倍になる。
4.スワップポイントでは支払いが生じるためスワップポイントの旨味がゼロとなる。
などけっこう多くのデメリットが上げられます。基本的にこうした問題は両建てそのものと言うよりは、両建てをすることによって発生する手数料などの問題ですが、FXをやる場合はより少ない手数料で済ますと言うのも重要な要因の一つであり、手数料を無しにすることなど考えられないと言うことを思えばやはりこれは両建てのデメリットと言わざるを得ません。
FX・両建ての有効利用法
では特にメリットもない両建てと言う手法がなぜいまだにFXに存在しており、実際に両建てを利用する人が多くいるのでしょうか。
両建てのメリットが発生する場合は主に次のような場合です。
まず最初に「米ドル・円」の買いポジションのみを保持し、その後相場が思わくと逆に動きそうだと考えたら、その時点で同じ額の米ドルを空売りしておくことで両建てとし、最終的に思わく通りに円高に動けば、そのご適当なタイミングに売った米ドルを買い戻すことで利益が出ます。
しかしこれとは逆に相場が急落してしまったような場合には、損失の拡大を食い止めるという意味合いで両建てとすることによって何となく損益が出ていないような言い訳が得られます。
しかし一般のFXのルールブックではやはりこのような両建てをすすめているものはほとんど見当たりません。買いポジションを持っているとして、ある程度損失が出たら傷が深くなる前にさっさと損切りして、気分を入れ直して(もちろん相場の傾向を確かめながら)新たなポジションを設けると言うことの方が圧倒的に良いとされています。
FXで両建てを嫌う業者では最初から両建てを禁止項目にはっきりと明記している場合が良くあります。これは両建ては業者にとっては手数料分の儲けが見込めますが、実際には両建てを行った時点ですでに損益が確定されることになるのでトレーダーにとっては何の意味も無いというのが最も良くある理由です。
FXを始めようという人であえて両建てにチャレンジしたいと考えている人はFX業者を選ぶ時点でじっくりと選択しておく必要があります。
FXと両建て・外し時
FXの両建てに関しては良く「外し時が難しい」と言われます。実際両建てを行う人はリスクヘッジのつもりで行っている場合が多いので、いざいずれかを外そうとしてもなかなか決心がつかないと言った状況に陥りがちです。もみ合いが続くような相場ではなおさら両建てを外すタイミングは重要となりますが、結局は様子見のつもりがそのまま意味も無く両建てを保持し続けるといったことになるケースが良くあります。このような場合ほとんどは単に、決定的となった損失額を一日延ばしに先送りしているに過ぎないという非常に消極的な立場に立っていることになります。
実は両建てを行っても確実に利益を得る手段というものがあります。しかもこの方法は両建てを禁止項目に入れているFX業者でも有効です。いったいどのようなことでしょうか。
これは両建てをする場合に別のFX業者を使うということです。両建てのデメリットの1つとして必ず上げられることに「スワップポイントが無くなる」というものがあります。しかしスワップポイントはFX業者によって異なります。そこで「プラスのスワップポイントがマイナスのスワップポイントを上回る」FX業者の組合わせで両建てを行うのです。ただしこうして得られる利益は微々たるもので積極的な投資とは言えないかも知れません。
またスワップポイントに関しては各FX業者によって変動がある場合が多く、その度にFX業者のスワップポイント比較をしなければならなくなります。また2社に資金を分散することで資金の管理の手間は2倍かかることになります。